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DataRobotとSAPの連携から創出されるビジネス価値

2023/09/19
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 SAPとDataRobot .incは、2023年3月に戦略的パートナーシップを発表しました。そこで、今回はどのようなユーザーにどういったメリットがあるのか、といった観点でご説明させて頂きたいと思います。

 このパートナーシップでは、ミッションクリティカルなビジネスデータを含むSAPソフトウェアのデータをDataRobot AI Platformに接続する事で、AI利用の拡大を促進するだけでなく、SAPのビジネスアプリケーションの更なる有効活用に貢献する事が可能になります。

SAPユーザー企業のAI活用を拡大する

従来、SAPユーザー企業は、機械学習モデルを利用する際、SAPデータからSAP Datasphere(旧SAP HANA Cloud上)でモデルを構築し、SAP上のモデルを展開しビジネス活用を行っていました。今回のDataRobotとの戦略アライアンスによって、SAPデータだけでなく、SAP以外のデータを活用する事で、より高度な予測AIの利用が可能になるだけでなく、より高度なモデルの運用管理が可能です。また、従来よりも扱えるデータの種類が増える事で、より多くのAI課題を解決する事ができます。

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図1:SAPユーザー企業のAI活用パターン(SAP and DataRobot platform integration architecture.より参照)
  • SAPのみで予測モデルを構築する従来の方式(パターン1):
    SAP Datasphere(旧SAP HANA Cloud)において、SAP環境で予測モデルの構築からモデルの展開まで一元管理する事が可能です。
  • SAP & DataRobot連携(パターン2)方式:
    DataRobotのJDBCコネクタを活用することで、SAPユーザーはDataRobotからSAP Datasphere(旧SAP HANA Cloud)に存在するデータを活用して機械学習モデルをトレーニングすることができます。
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生成した機械学習モデルを、SAP AI Core およびSAP AI Launchpadを活用してデプロイすることができます。

SAPユーザー企業がDataRobotを利用する理由

それでは、SAPユーザー企業がDataRobotを活用するメリットについてご紹介します。

  1. SAPデータ&サードパーティーデータの活用
    SAP Datasphereとそれ以外のデータソースをDataRobotに収集/統合してAIモデルを構築できるようになります。SAPデータ以外を活用した予測モデルの構築が可能になる事で、より多くのAI課題に取り組めるだけでなく、従来の予測モデルの精度向上にも期待できます。
  2. AIモデル構築環境
    データサイエンティストだけでなく、非データサイエンティストでもDataRobotを活用する事で、様々なデータソースの統合と探索、自動化された特徴量エンジニアリング、複数のMLモデルのトレーニングと評価、要因分析などが可能になります。これにより高精度なモデル構築/検証を短期間に行う事が可能です。
  3. AIモデル運用環境
    開発したモデルをSAP上にデプロイし、監視、管理までのプロセスを自動化、効率化する事が可能です。自動化されたワークフローやツールを活用し、またSAPのアプリケーション上で予測データを活用した意思決定が可能になる事で、より多くのユーザーに展開できるプラットフォームを提供します。
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図2:SAPユーザー企業におけるDataRobot利用の3つのメリット

適用可能なSAPユーザー企業向けユースケース

SAPユーザー企業はDataRobotを活用する事により、様々な成功事例のあるAIユースケースに取り組む事が可能になります。製造業小売業・流通業におけるSCM(調達、製造、物流、販売、需給、アフターマーケットサービス)といったプロセスにおいて、サプライチェーンの最適化、きめ細かな需要予測、価格の最適化、タイムリーな予知保全などの様々なユースケースでご利用いただけます。これらの課題は、日本国内でも様々なお客様で成功事例がございますので、詳細のユースケースを知りたい方はこちらのPath Finderにアクセスください。

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どのように進めるべきか?

SAPをお使いの方で、DataRobotの利用について詳細を確認されたい場合は、こちらにアクセスください。また、実際にトライアルでの利用も可能ですので、SAPとの連携検証もご体験いただけます。

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