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サービスプロバイダー向けのパートナープログラム

2022/02/04
執筆者:
· 推定読書時間 2  分

はじめに

DataRobot で新規ビジネス開拓を担当しておりますビジネス・ディベロップメント・マネージャーの五十嵐です。近年においては、DataRobot を使いこなしているお客様の中には、自社データを活用して自社のビジネス課題を解決するだけでなく、社外のユーザーに対してのビジネス課題まで解決したいという事をご要望される事が増えてきております。これらの解決方法には、個別のコンサルティングで提供する方法もありますが、AI ユースケースとして鉄板ネタとなるテーマについては、予測アプリケーションとして提供するニーズも増えてきております。本稿ではこれらのニーズにお答えすべく、サービス提供型の新しいパートナープログラムについて紹介させて頂きます。

サービスプロバイダー向けのパートナープログラム

この度、弊社では DataRobot ユーザーによる社外サービス展開のニーズに応えるべくサービスプロバイダー向けのパートナープログラムを発足いたしました。このプログラムでは、DataRobot ユーザーであるお客様が外部のユーザや企業に対して AI 予測サービスとして提供する方法についてご紹介いたします。

既にこの取り組みは、日本国内でも開始されており、野村総合研究所様とアシスト様が共同で提供されているAI 発注支援サービスなどが挙げられます。

DataRobot ユーザー様から同様の AI 予測サービスを社外に展開したいというお問い合わせを頂く機会が増えております。そこで、AI 予測サービス・プロバイダーとして成功するために抑えておきたいポイントや、サービス提供パターンについて説明させて頂きます。

AI 予測サービス・プロバイダーとして成功するために抑えておきたいポイント

予測アプリケーションを自社サービスとして提供したいという相談は多数頂きますが、サービス化まで至るケースは残念ながらごく僅かです。そこで、予測アプリケーションサービスを立ち上げるまで抑えておきたい重要なポイントを6つ説明させて頂きます。

  1. 予測アプリケーションとして提供する予測のターゲットを何にするか?(例:来客者数、売り上げ予測、出荷予測など)
  • クライアントに対して、どのような予測サービスを提供したいのか?アプリケーションとして何を予測したいのか?が明確になっているかどうかが非常に重要です。また、このサービスがどういったカテゴリーに顧客に提供するものなのか?といった顧客ターゲットも合わせて検討いただく必要があります。
  1. 予測アプリケーションの導入効果
  • クライアントの現状のプロセスと比較して予測サービスを導入する事でどのような費用対効果がでるのか?をクライアントに提案できるかどうかを検討頂く必要があります。(費用対効果が高ければ高いほど、付加価値の高いサービス提供が可能になります。)
  1. 予測サービスのために構築する予測モデルに必要な教師データおよび予測データの収集が整理されているか?
  • 提供したい予測サービスの実現可否の一つとして、データの有無があります。また、データがある場合においても、そのデータを収集するためのプロセスを明確化する必要があります。
  1. 予測サービスのために構築する予測モデルの評価はできているか?
  • 教師データを元に機械学習で開発された予測モデルが期待される精度を出せるかどうかを事前に評価する必要があります。精度が出ない場合、費用対効果も低くなってしまうため、そもそもサービス提供を成立させる事ができません。
  1. 予測サービスの運用体制は考慮されているか?(例:Web アプリケーションの一部として提供等)
  • 予測モデルを社外ユーザーに提供した後、どのように継続的にサービス提供を行うのかを検討する必要があります。提供方法の検証だけでなく、モデルの精度監視や管理、モデル更新のタイミングまで計画に入れる必要があります。
  1. DataRobot を利用してサービス提供する担当者のアサイン
  • DataRobot を使う事で継続的な社外サービスを提供が可能な人材(シチズンデータサイエンティスト、AI エンジニア等)を組み入れた体制を組む必要があります。

これ以外に考慮しておきたいポイントとしては、サービスを提供する際にすでに同様のサービスを提供している他社サービスと比較して差別化できるか?があります。よくある差別化ポイントの例としては、以下などがあげられます。

  • DataRobot を利用する事による精度向上やモデル監視サービス
  • サービスプロバイダー自身が保有しているデータを活用する事による高精度サービス、もしくは RPA などを連携した予測結果の実行サービス(例:発注伝票作成)、または予測アウトソーシング(例:コールセンターのアウトバウンドにおける顧客ターゲティング)

サービス提供の実施においては、これらのポイントを明確化しないとサービスの立ち上げ自体が困難になります。予測サービスを検討される際は、是非、上記のポイントを十分にご検討ください。

予測サービス提供パターン

続きまして、クライアント企業への予測サービスの提供パターンについてお話します。

外部へのサービス提供は、「① 教師データを活用したインサイトの外部提示」、「② 予測データを活用したアプリケーションサービス」の2種類に分けられます。また、これらの2種類のサービス提供は、利用するデータが自社データなのか、クライアントデータ(社外ユーザーデータ)なのかでも、提供パターンが異なります。そこで、それぞれの提供パターンに分類してご説明したいと思います。

教師データを活用したインサイトの外部提示

A120 table 1

パターン1は、教師データが DataRobot ユーザー様が自社で保有している教師データを活用して、クライアントに教師データを活用した予測モデルによるコンサルティングサービスを提供するケースです。この場合は、DataRobot ユーザー様が保有している DataRobot ライセンス契約の範囲内にて提供可能です。

DataRobot ユーザー様がクライアントから教師データを預かり予測モデルを構築しコンサルティングサービスをクライアントに提供するケースです。この場合はMSP契約を DataRobot ユーザー様と DataRobot 社で締結頂く必要があります。

予測データを活用したアプリケーションサービス

A120 table 2

パターン3と4は、教師データではなく予測データを活用したクライアントへのアプリケーションサービスになります。この場合は、全て MSP 契約締結が必要になります。

パターン3は、予測データに自社保有データを利用するケースです。この場合は、DataRobot ユーザー様が保有しているライセンスで提供可能ですが、一部のライセンスでは MSP サービス提供不可となりますので、DataRobot までご確認をお願いします。

パターン4は、予測データにクライアントデータを利用するケースです。この場合、本来であれば、クライアントが DataRobot ユーザー様としてライセンスをご契約頂く必要がございます。そのため、本ケースに該当する場合は、提供形態などの条件につきましては DataRobot まで個別にご相談ください。

おわりに 

本稿では、サービス提供型のパートナープログラムについてご説明しました。

AI Cloud プラットフォーム「DataRobot」は、今日におけるAIの需要や課題、機会に対応するために構築された新しいアプローチです。単一の記録システムによって、あらゆる組織が本番環境へのAI導入を加速でき、なおかつAIのライフサイクル全体で継続的に最適化を実現する統合環境として、データサイエンティスト、シチズン・データサイエンティストを含めあらゆるユーザーがコラボレーションできる点が特徴です。

しかし、全ての企業が自社のみで AI 活用を成功させ、課題解決ができる訳ではありません。そのため、DataRobot では、サービス提供型のパートナープログラムにより、AIで解決できるビジネス課題に取り組んでいきたいと考えております。DataRobot は進化し続けるプロダクトと共に、お客様を引き続きサポートしていきます。

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執筆者について
五十嵐 恒(Hisashi Igarashi)
五十嵐 恒(Hisashi Igarashi)

チャネルパートナーディレクター

DataRobot では新規パートナーのビジネス立ち上げなどビジネス・デベロップメントおよび既存代理店とのビジネス協業、Technology Partnerやコンサルティングファームとのアライアンスを担当。マーケティングによるパートナーリードの獲得、パートナー AI 人材育成のためのトレーニング企画および日本主導での認定制度推進。前職(Oracle/Qlik/IBM/Cognos)でもAnalytics 製品の BD/営業として製品横断したソリューションの企画/提案活動を実施。

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