AI はまだ比較的新しい分野ですが、世界の現状や変化に対応するため、今すぐに機械学習モデルの価値を発揮する必要が生じています。これを実現するのが DataRobot のソリューションです。このソリューションで組織は MLOps 基盤を構築し、データ、開発、運用の各チームが連携して大規模な機械学習サービスを適切にデプロイし管理できるようになります。
Machine Learning Ops(MLOps)では、機械学習(ML)のライフサイクルをより適切に管理できるよう、データサイエンティストと運用担当者が連携します。MLOps は基本的に、機械学習モデルの構築とトレーニングに主眼を置いているデータチームと、機械学習サービスを取り入れつつある本稼働環境のすべてのサービスについて責任を持つ運用チームとの間につきもののギャップを埋めるのに役立ちます。このギャップを埋め、これらのチーム間のコラボレーションを円滑にすることで、MLOps は、最終的に AI が本稼働環境に効果的に導入されて、機械学習から実質的なビジネス成果が得られるようにします。
適切に設計された MLOps システムは、トレーニングとデプロイから、本番稼働、精度低下、再トレーニング、再デプロイ、そして廃止、リスク管理された保存に至るまで、機械学習モデルのライフサイクルのすべてのステップを合理化します。
組織に MLOps が必要な理由
NewVantage Partners 社の調査によると、規模を問わず AI 機能を本稼働環境に導入した大手企業は 15% にとどまります。思い切って AI を導入したそれらの組織の多くは、まだ明確なビジネスメリットを得られていません。
組織は、効果的な機械学習モデルのデプロイにおいて、次のような課題に直面しています。
- データサイエンス人材の不足。
- 運用チームとデータサイエンスチーム間のコミュニケーション不足。その結果、AI による価値実現の目標を達成するために、両チームが連携して作業することが組織にとって欠かせないということが十分認識されません。
- ユーザーや消費者のデータなど、データのパターンが変化するため、機械学習モデルが期待どおりに機能しない。
- 機械学習の特性とセンシティビティに対する理解が不十分。その結果、容易に緩和できるにもかかわらず、懸念や大きな遅延が生じています。
- モデルを円滑かつリスクなしで本稼働環境にデプロイする上で求められることを全体的に過小評価。
MLOps は、組織がこれらの問題を解決し、実際に成果が得られる AI および機械学習プロセスを早期に実現することを支援します。
MLOps の 4 つの柱
DataRobot では、実際のインパクトに必要なレベルの高度化を達成できるように、MLOps のプロセスを 4 つの重要な領域に分けています。それらの領域は次のとおりです。
- モデルのデプロイ
- モデルの監視
- モデルライフサイクル管理
- 本稼働環境でのモデルガバナンス
モデルのデプロイの重要性
新しく構築された機械学習モデルは、デプロイされるまでは実験用でしかありません。しかし、モデルを運用可能にするには、そのモデルをまったく異なる目的のために設計された IT 環境に統合することになります。その結果、モデルの安定性とスケーリング能力が失われ、モデルの有効性が低下します。
MLOps では、モデルの作成からデプロイへの移行を円滑に行えるため、機械学習モデルと既存のビジネスシステムの統合が簡単にできます。MLOps はプラットフォームや言語の違いによる競合をなくし、データサイエンティストが作成したモデルを、プラグインのように簡単に統合して、クリーンで一貫した、再現性のある結果を素早く得られるようにします。
モデルモニタリングによりモデルの精度を維持
組織では、すべてのモデルのパフォーマンスを運用期間中に注意深く監視することで、パフォーマンスの変化や低下をできるだけ早く特定し、明確に問題を示して優先順位付けを行い、ビジネス上またはミッションクリティカルなリスクを回避することが不可欠です。
ビジネス継続性を確保するには、効果的なモデル監視が不可欠です。高度な監視機能は、従来のパフォーマンスに限定されるものではなく、AI における謙虚さなどの原則も含まれています。これによって、モデルの精度が低下する可能性があるときだけでなく、予測に確信がないときにも、データサイエンティストは通知を受けることができるようになります。
モデルのライフサイクル全体を管理
本稼働環境での機械学習モデルの数は飛躍的に増加する可能性があり、その管理に頭を悩ますことになるでしょう。このプロセスに秩序をもたらすには労力を要します。たとえば、新しいモデルに対するモデルの機能の手動チェック、パフォーマンスの低いモデルのトラブルシューティング、ビジネス継続性を維持しながらのモデルの更新などを、すべてワークフローの承認とあわせて行う必要があります。
MLOps は、機械学習パイプラインを管理し、またドリフトの監視、モデルの監査証跡の保持、チャンピオン/チャレンジャーのメカニズムを通じた新しいモデルのゲート管理などの重要なタスクを自動化することで、この課題の解決を助けます。これにより、モデルの拡大に応じてモデルの安全なワークフローとより適切な管理が実現します。
効果的なモデルガバナンス
CCPA や EU/UK GDPR などの規制が施行された今日、機械学習モデルによって、法規制やコンプライアンス上のリスク、および企業リスクが高まる可能性があります。これは、規則や法律への対処が手に負えないほど複雑になるグローバル組織にとっては、さらに大きな問題です。
MLOps は、一方ではモデルの速度、精度、ドリフトを定期的に監査し、他方では稼働中の機械学習環境への干渉に関する承認ワークフローおよびプロセスにガバナンスを行い文書化することで、企業が規制または財務上のリスクを最小限に抑えられるようにします。その結果、透明性のあるモデルパイプラインが実現して、モデルバイアスが低減され、法規制のコンプライアンス要件を満たすことができます。
DataRobot は有力な MLOps ソリューション
DataRobot は、MLOps とその活用方法について豊富な経験を有しており、DataRobot を導入することで、組織は AI と機械学習を最大限に活用してメリットが得られるようになります。詳細については、MLOps 101: AI 戦略の基盤をご覧ください。MLOps を利用する理由や MLOps を利用して、データサイエンティストや IT リーダーなど、社内のさまざまな業務を支援する方法についても説明しています。
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執筆者について
DataRobotはバリュー・ドリブンAIのリーダーであり、組織がAIをアイデアから実際のビジネス価値へ加速させることを支援しています。AIイノベーションの最前線で10年以上の経験を持ち、組織の収益向上、ビジネスビジョンの実現、そして私たちを取り巻く世界に真の変化をもたらすために必要な知識と経験を持ちあわせています。
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